【アプリ開発の流れ】6.開発委託先を選定する~業務アプリ開発 はじまりから運用までの16ステップ~

投稿者: | 2018年6月25日
アプリ開発会社を選ぶ

これだ!というアプリ開発会社が見つかるといいですね

業務アプリ開発 はじまりから運用までの16ステップ~ indexはこちら

アプリというと、BtoC、つまり一般ユーザが利用するゲームやSNSなどのアプリを想像するかもしれませんが、今回は、業務系アプリを開発する場合、かつ開発を外部委託する場合を前提として説明しています。

今回は、6番目のステップ「開発委託先を選定する」です。

 

6.開発委託先を選定する

開発委託先の選定についての話題はこれまでも触れてきましたのでそちらも合わせてご覧ください。

(ご参考)

クライアント企業の知識に合わせて話を変えることができるかどうか
提案力あるアプリ開発会社を簡単に見分ける方法
開発規模によって必要なスキルは違います
質問の仕方でわかる開発会社のスキル
開発実績がたくさんあれば安心できる?

 

開発委託先を選定するに際しては、複数の候補社の中から選定することになるかと思います。アプリ開発会社の何を比較するのか、比較する基準を明確にしたうえで選定にあたりましょう。

開発委託先選定の比較ポイント

当社が考える、比較ポイントは以下の5つです。そして、その重要性もこの順序どおりです。世間一般的には、実績を優先しているところも多いかと思います。それにも関わらず、一番最後に位置付けています。その理由もこの後、説明します。

(開発委託先の比較ポイント)

1.提案力
2.技術力(品質管理方法)
3.スケジュール
4.見積額
5.実績

 

1.提案力

提案力こそ最も重視すべきという理由は、提案できるというこは、発注者がやろうとしていることを理解しているからです。理解が不十分だと、プラスアルファを付け加えることはできません。ですから「それは気が付かなかった」など、納得・関心できるようなことを提示されたならば、この先の開発工程においても、「当社のやりたいことを本当に分かっているのだろうか?」という心配が無用であり、悪くても概ねは理解済みであるという前提で進めることができるからです。

また、様々な経験をしていること、あるいは発注者の業界・業務を研究しているか熟知しているとも言えるでしょう。

但し、提案内容が技術的な側面だけであってはなりません。

アプリ開発会社が、アプリやシステムに関する技術的な側面を理解しているのは当然です。

評価すべきは、技術以外の面での提案です。

2.技術力

技術力が重要であることは間違いありません。

ただし、難しいのは技術力を発注者が評価できないということです。

もし、評価者が開発経験があるエンジニアであれば話は別ながら、そうではないことが多いでしょう。ましてや、経営企画部、総務部などが担当になったとするなら、技術力評価は難しいに違いありません。

では、技術力を評価するのは不可能でしょうか?

いえ、では別の切り口を考えましょう。

品質管理方法をどうするかという質問への回答がヒントになります。

こういう答えが返ってくればOKというより、発注者が理解できるように説明し、かつ、納得できるなと思える答えが返ってくればいいのです。

例えば、要件定義をした人間が、テストをして確認します。テストは、新しい業務フローに合わせて、各担当者が操作を行い不具合がないか、操作性に問題がないかを確認します。という回答が、一つの例です。

普段の開発から、品質を高める方法を意識し、実践しているならば直ぐに回答できるはずであり、決して改めて検討するようなことではないのです。

 

3.スケジュール

ここでのスケジュールについては、新規事業としてのアプリ開発だと最も分かりやすく、何年何月にサービスインするため、そこに間に合わせなければならない。という期日があります。業務アプリだとしても、決算を跨ぎたくない、経営層との約束で、など、何かしら期日があるでしょう。(時には、できるだけ早くやりたいけど、特に日程は決まっていないというケースもありますが)

指定した期日どおりならばいいのですが、期日を超えるようなスケジュールが出て来た場合の注意事項です。

指定した期日を超えるスケジュールの提示がある場合にはその根拠を検証しなければなりません。

考えられるのは、

①開発会社の都合により、エンジニアが確保できないため間に合わない。

②開発規模からすると、指定した期日に間に合わせるのは妥当ではない

③発注者の準備が十分ではないため、お約束できない

というようなものです。

①は、どうにもならないことでしょう。もし、自社にシステム部があり可能ならば、分担して開発するということを持ちかけるのも手です。但し、どうしてもそこへ委託したいという強い理由があればです。

②は、できる会社である可能性もあります。とても分かりやすい事例で考えるならば、同じ土地に平屋の家を建てる場合と、5階建ての家を建てる場合は、基礎工事の違い等妥当な建設期間があるはずです。なぜ、妥当な期間ではないのかを納得できるよう説明があれば、信頼できると考えてよいでしょう。

さらに、信頼性が高まるとするならば、納得できるフェーズ分割の提案です。この機能までは、期日までに、それ以外の機能は、その後いつまで開発するのはいかがでしょう、その理由は・・と提案してくれるところも信頼に値します。

③は、何が不十分なのかを確認し、その説明に納得できるものか、どうかで判断します。具体的に、不十分な点をどのようにすればよいのかをアドバイスしてくれるかどうかも評価材料となります。

 

4.見積金額

見積金額が大切であるのは言うまでもありませんが、あえて4番目にしているのは、この提案、この技術、このスケジュールがあるから、この金額という順序で考えるべきだと思うからです。

車を買う際に、軽自動車、普通乗用車、スーパーカーを比較対象とし、見積額から見ても比較になりません。

このように、車は大変分かりやすいので最初から比較をすることはないでしょう。ただ、アプリ開発会社は軽自動車なのか、スーパーカーなのかがWEBサイトだけでは分からないのです。

ですから、提案等を吟味し、ここは軽自動車程度、ここはスーパーカー程度であるという感触を得たうえで、自社にとって妥当な範囲はどこかということを検討すべきという考えです。

最も高いところが、一番優れた提案かもしれません。そして、それは予算を大きく逸脱しているかもしれません。その際に、予算を上乗せすべきか、予算に合わせた会社とするのかは、費用対効果で考えるべきところです。

 

5.実績

実績を最も低くした理由。それは、実績は会社の実績であって担当するエンジニアの実績とは限らない。また、どんな範囲をその会社が担当したかが不明であるということです。

(参考)
開発実績がたくさんあれば安心できる?

これは、筆者の苦い経験からのものです。

その経験というのはこのようなものです。

規模が大きく要員調整ができなかったこともあり、当社が受注したアプリの一部を外部委託することにしました。委託先の社長は以前からよく知っている人であり、そこの会社は当社よりも規模も大きく、会社がお付き合いしている企業も大手ばかりです。ですから、会社としての実績は申し分ありませんでした。また、専門知識を持つ有資格者のエンジニアも多数います。

そんな会社ですから、安心して一部の機能開発を任せました。

しかし、その結果は散々なものでした。

機会があれば、もう少し詳しく書きたいのですが、言えるのは数百万で開発委託した機能は使えないものであり、一部は残しながらも、ほぼ全てを作り直したのです。契約上、支払わなければならなかったので、無駄な時間と費用を捨てただけとなりました。いわゆる高い授業料です。

折角、良い授業を受けたので、これをご覧頂いている方には同じような失敗をして頂きたくありません。

実績だけ見ても、手放しで安心できる会社と考えてはいけないということをお伝えしておきます。

アプリ開発の成否を分ける開発会社選定作業。

充分すぎるほど吟味のうえ、納得できる相手を選んでください。

 

 


スマホアプリを使った業務システム構築のことなら

株式会社クラボードへお気軽にご相談ください

お問い合わせはこちら