これまでは、EXCELを使って業務運営をしていた、しかし、業務量も増えEXCELだと複数人での運用には限界がある。そんなことから、本格的なシステム開発が始まることがあります。
EXCELでできていたことだから、システム化しても簡単にできるだろう。
そんな思い込みが多々ありますが、実はかえって難しかったりすることがあるのです。
その理由は?
EXCELが便利過ぎるからです。
なぜ、便利すぎるとシステム化が難しいのか、これが今回のテーマです。
EXCELを便利に使い過ぎているとシステム化が難しい
EXCELはとても便利です。
個人的にはちょっとした計算でもいちいちEXCELを起動したりしているし、何かのリストを作る時は必ず利用しています。パソコンアプリの中では、一番利用頻度が高いソフトです。
さて、なぜ便利なのか?
一番の要因は自由度が高いからです。
リストを作るのが簡単で、検索・絞り込みも簡単なので、簡易なデータベースとして使える。
データの追加・修正も、項目追加も簡単。リストを使えば選択肢からのデータ入力もできる。
いうことなし!
なのですが、この便利な部分の恩恵を受けているとシステム化のデメリットになります。
便利と感じる一つの要因は自由度が高いから
自由度が高い。それは具体的にどのようなことなのでしょうか。
1 項目の追加に制限がない
実際は無限ではありませんexcel2016だと 1,048,576 行、16,384 列という制限がありますが、その制限に達するほどの使い方にはそうそう至らないであろうという意味です。
利用するに際して、項目追加の必要があれば、簡単に列に追加していくことができます。
2 セルへの入力の自由度が高い
こちらもセルへ入力できるのは、32,767文字という制限はあるのですが、これも1セルにここまでは入れることはないでしょう。
セルには、数字も文字も文字数制限を意識することなく自由に入力できます。また、文字入力する際にも半角、全角を意識することが必要ありません。
EXCELで顧客管理をするとこうなります
以上を具体的な例に当てはめてみます。エクセルで顧客管理をしているとしましょう。
最初は『会社名、住所、電話番号、代表者名、担当者名』を管理していました。
当初の取引先は、個人商店が多かったためこれだけの情報で済んでいました。しかし、顧客が増えてくると、徐々に顧客の規模が大きくなってきました。
すると、『部署、担当者役職、担当者電話番号』が必要になってきました。
そうすると、当然のごとく列の挿入や追加により、『会社名、住所、電話番号、代表者名、部署、担当者役職、担当者名、担当者電話番号』となります。
やがて、さらに発展し、「会計担当」も必要、前年売上も追加しておこう、請求書番号もいるな。と始めると、際限なく列が増えていくのです。
そして、その管理方法も単純に列を追加していくだけならば、1つの取引先に対して、1行で管理することになります。あるいは、列が多くなることを嫌い、1つの取引先に対して担当者が異なれば、担当者数に等しい行で管理するという考え方が生まれます。あるいは、1つのセルに複数の担当者を入力することもあります。一番、好ましくないのは、その両方が混在することです。

担当者が複数で行を分けて管理した場合

担当者が複数で備考に記載した場合

担当者が複数で1つのセルに入力した場合
しかし、EXCELは便利であるが故、どの方法で管理したとしても何ら問題はありません。ただしそういったところから、業務が非効率になっていきます。
システム開発の心得がある人ならば、マスタと明細に分けるべきなどと判断できるでしょうが、一般ユーザはそうは考えません。同じ顧客の情報なのだから、同じ列にあったほうが便利。そう考えるのが自然。いや便利とか便利ではないとかを考えることもせずにしているのが実態かもしれません。
ここで悩ましいのは、便利であるがゆえに決まったルールに基づいて作られていないことが多いのです。
あるいは、社内でルールを決めていたとしても徹底されていないことも少なくないということです。
ここから出てくる要件はどんなものになるかというと
「いま、エクセルで管理している顧客情報を管理したい」
「お客様のいろいろな情報を管理したい」
「すぐに必要な顧客情報を取り出したい」
というものが上がってきますが、前述のように自由に管理しているため、システム化しても項目追加が簡単にできたり、入力を自由にできるものだと思い込んでしまうことが問題になります。
この「自由に」ということが、委託側の思いと、開発者側の考えが一致しているならばまだしも、そうでないとするならば、システムが出来上がっても、「EXCELのほうが簡単にできた。」「EXCELでさえ、できるのになぜこんなに高いお金をかけたシステムができない」ということになります。
こういった誤解を生まないためにも要件定義フェーズにおいて、開発会社がしっかりと分析を行い、また、委託者側に対して説明を行わなければなりませんが、委託者側としても事前にこのような知識を持つことが開発を成功させる近道となりますので、頭に入れておいていただきたいと思います。
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